コレステロール値が高い

ここで再び実例を挙げましょう。私の患者さんがある日、とある病院に行ったら、「あなたはコレステロール値が高い。薬を飲まなければ脳梗塞で危ないぞ」と言われた、と相談されました。私は彼女の血管を調べましたが、動脈硬化など全くなく血圧も正常、そもそも女性は閉経後、女性ホルモンの関係でコレステロール値は上昇するのです。女性にがんが少ないのは実はこのことが関係しているとも考えられています。

 

しかしこの必然性のあるコレステロール値の上昇を考慮しないで、血液検査のデータを見ただけですぐ薬を処方することは避けるべきだと思います。私は患者さんに話を聞き、親、兄弟に脳・心血管障害の人はいるか、第1章でも述べた家族歴を聞き、診察(動脈硬化は脈をみるだけでわかるものです)をし、最後に専門機器を使って動脈硬化のチェックをしました。この動脈硬化の検査機器は「バセラ」といいます。手足の四カ所に血圧計のようなものを巻くだけで、痛くもかゆくもなく、五分ほどで患者さんの血管年齢がわかるという機械です。ここまでして、必要のある人には薬を処方しますが、必要のない人は定期的に経過を見ます。検査をした結果、彼女にも、私はこう答えました。「大文夫、あなたは脳梗塞の心配もないし、きっと長生きしますよ」すると彼女は、安堵のあまり目に涙を浮かべていました。そして、「先生ありがとうございます」と繰り返し言ってくださいました。セカンド・オピニオンという言葉が今の医療界では重要視されています。 一人の医師の診断、治療方針に疑間があれば、他の医師の診断を受けることはとても大事なことです。

 

あなたの身体、あなたの命です、遠慮せずに躊躇せずに行動してくださいおっと、また横道にそれました。次は、糖尿病についてです。糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが不足することによって血液中の糖分が異常に高くなる状態をいいます。糖尿病は空腹時の血糖値が一二五を超えたとき、または食後の血糖値が二〇〇以上のときに「診断」されます。最近よく取り沙汰されているのが食後に起きる高血糖状態で、これが動脈硬化を促進してしまうことがわかってきました。