戦争映画やマフィア映画

さて、急に倒れて意識がなくなる発作のことを脳卒中といいます。脳卒中の原因として、脳に行く動脈が詰まるのが脳梗塞です。脳塞栓や脳血栓というのは、どちらも脳梗塞の原因を表す言葉です。脳血栓という場合は、脳の中の血管が動脈硬化になつて詰まってしまうことをいいます。脳塞栓という場合には、脳以外の場所である心臓や頸動脈から異物が流れてきて、細い脳の血管が詰まってしまうことをいいます。脳に行く血管、つまり動脈が詰まってしまうと酸素も栄養も補給できなくなりますから、たちどころに脳細胞が死んでしまいます。脳はとても大食いですから、少しでも酸欠になるとあっという間に壊れてしまうのです。次に、心臓に行く血管が駄目になると心筋梗塞を引き起こします。 一般に「心臓発作」と呼ばれる発作は心筋梗塞のことだと思ってよいでしょう。心筋梗塞の原因として最も多いものは、心臓の筋肉(心筋)に酸素を運んでいる血管である「冠状動脈」の一部に目詰まりが起きることと、同じく冠状動脈が痙攣して血液の流れを止めてしまうことです。どちらにしても冠状動脈は生命を支える太く頑丈な血管ですので、先天性の異常でもない限りそう簡単に詰まったり痙攣を起こしたりはしません。また、なにかの病気にかかっても、いきなり正常だった冠状動脈が閉塞(詰まること)を起こすとは考えにくいのです。では、なぜ頑丈なはずの心臓の血管が詰まってしまうのか、それは長年にわたって進行してきた粥状硬化症と呼ばれる状態……つまり動脈硬化が原因なのです。

 

 

脳梗塞と同じく、心筋梗塞も生命の危機となります。よく戦争映画やマフィア映画などで「敵の補給路を断て」などと指令が飛んでいますね。まさしく私たちの身体も血管という補給路、それも心臓や脳に通じる「最重要ルート」を断たれてしまえば、たちどころに死を迎えてしまうのです。心筋梗塞を起こすと、重要なのは心臓そのものよりも脳への血流が止まってしまうことにあります。心臓は比較的酸欠に強いので、あとから処置をすれば再び脈動を始めるかもしれませんが、脳は心臓停止から五分以内には「死に始めて」いますし、 一度死んでしまった脳細胞は二度と再生しませんから、なんとか助かったとしても、脳の機能が一部損なわれて後遺症を残すことになってしまうのです。